愛と二重奏

雑踏の中独りピアノを弾いている

あなたは私の音に足を止め

しばらく私の音を聴く

私の奏でるどこか寂しげな音にあなたはついピアノに指をおく

始めは高音を控えめに

私の旋律を尊重しながら

徐々にクレッシェンドし、曲と一体化してくるのを感じる

私はすぐにその音に魅了されあなたを愛し始める

あなたの旋律を聴きたくなる

あなたの旋律を聴くために

まるであなたに、気を遣うかのように

自分の音をデクレッシェンドしてゆく

あなたの音が私の中に響く

あなたの旋律が愛おしい

こころを配り、こころと、耳を傾け、呼吸を合わせていく

始めにあなたがしてくれたように…

あなたの旋律と私の旋律

自分の旋律を奏でながら、相手の旋律を活かし合う

譲り合い、支え合い、与え合い、奏で合い、愛で合う

転調は二重奏の、あなたへの愛の深みを生む

ゆえに愛すべきもの

二重奏はあなたを愛すること

愛することは二重奏を奏でるよう

独奏では叶わない音の深み、和音

 

鼓動が合い一体感を生む

 

二重奏を奏で続けたい…